染土 |
畳に使用するイグサは刈り取りのあと、日焼け止めや保湿のための泥染の工程があります。 この「染土」とは、畳の泥染の際に使用する土のことをいいます。読み方は、せんどといいます。 多くの方が畳の匂いとして思いうかべるあのすがすがしい香りは、畳を構成する主な原料であるイグサを泥染したときに生まれるのです。 染土としてよく名前が知られているものとしては、備後染土や淡路染土があります。 イグサを泥染すると、太陽の熱の吸収が良くなり乾燥が早くなります。そしてこの工程により酸化酵素の働きを抑えて葉緑素も分解されないので、色彩がよくなると同時に光による変色の防止にもつながるのです。 泥染の工程を行わずに乾燥工程を行うと、乾燥の時間が多くかかってしまうので、イグサが変色してしまうのです。 日本人に慣れ親しんだ「畳」は自然の素材と伝統的な工法の中でつくられている、ユニークな建材であるといえます。 |
|